依存問題と社会課題を解決する「ぬくもりコール」の提案

「ワンデーポート通信」第251号 2021.7 掲載 〈発行〉認定NPO法人ワンデーポート

令和3年6月16日

株式会社セントラルカンパニー
代表取締役 力武一郎

先日「都留文科大学研究グループによるギャンブル等依存の要因およびギャンブル射幸性に関する全国調査」が発表されました。その中で、都市部ほどギャンブル等依存率は低くなる傾向にあり、地方都市の問題点として、地域に他の娯楽が見つからないことでギャンブルにのめり込み「やらないと落ち着かない」状態になる。また、現代社会が孤独感を助長して、その孤独感を解消するためにギャンブルにのめり込むとしていました。
「今、地域社会で必要なことは、娯楽を多様化することと、各人の孤独感を解消すること」と結論付けています。
私は長年、依存問題に取り組む中で「余暇の過ごし方」や「仲間の存在」が依存問題に悩む方の大きな生活改善につながることを実感しており、この研究結果に大いに納得しました。
現在、地方では行政が行う様々な電話相談がありますが、孤独に焦点を当てたものはありません。「いのちの電話」がそれに当たるのかもしれませんが、自殺を考える程ではなくても、「寂しい」「誰かと話したい」といった段階で気軽に電話できる機関が必要です。新たに「ぬくもりコール」という孤独を感じている人が気軽に電話できる機関を新設することを提案します。
その方と話をする中で、その方と相性の良さそうな趣味を提案し、事前に登録している県民サークルやボランティア団体(代表者はマイナンバー登録が必要であろうと考えます)等のコミュニティに繋げて行くことは出来ないでしょうか。例えば、「街歩きの会」や「囲碁の会」「写真の会」「手芸の会」等々。会の平均年齢や雰囲気などを事前に代表者から聞き取りをしておいて、電話をかけてきた方との相性を考えて提案・紹介をする。
サークルに所属することで孤独感が解消され、趣味も見つかり生きがいの創造にも繋がるのではないでしょうか。
今後の日本社会は少子高齢化により「寂しいお年寄り」ばかりになります。未婚率の上昇、離婚率の上昇、高齢化で伴侶に先立たれる等で孤立する方が増えるからです。
日本は、国連が発表する2020年度世界幸福度ランキングで62位(156ヵ国中)です。年々、順位が下がる傾向にあります。
「ぬくもりコール」が成功すれば、高度幸福化社会に向けた一隅を照らす活動になるかもしれません。